正社員のメリット~近年、正社員に拘らない人が多い理由~

昭和~平成まで、「働くなら正社員」という、昔からの「働く理想」は、誰もが聞き馴染んできた言葉だと思います。しかし、時代が変わるにつれて、働き方も多様化していき、現代では敢えてアルバイトや契約社員で働く方が多くなってきています。

なぜ、正社員で働く事が嫌に感じるのか…。
また、現代と昔で労働者のニーズに変化はあるのか?

今回は、昔と現代で変わった点や、正社員が嫌だと思う理由など、最新版正社員のメリットを解説していきます!

正社員で無くても良いと思う瞬間

初めて社会人として働き始める方で、正社員を嫌に感じる事は中々ありません。新卒で働き始めるときより、働いてから月日が経った頃に「正社員でなくてもいいかも」と思う事の方が圧倒的に多いのです。

では、どういった瞬間にそう思うのか、例をいくつか挙げていきます。

責任を負わなければならない

正社員で仕事をしているとき、「責任」という重さに嫌気が指す瞬間ってありますよね。
無期雇用の正社員は長期的な教育やキャリアアップを社内で目指していける分、会社としての名前を背負うことになります。
また、正規社員として雇われているため、非正社員(アルバイト・契約社員)と比べて責任の重さが違うのです。

例えば、正社員がアルバイトへ何かを指示する際、指示による失敗や、作業ミスが出てきた場合、指示されたアルバイトが責任を負うのではなく、指示した正社員が責任を負う事もあるという事です。
更に、役職やリーダーに任命されていると、給料が高くなるにつれ、責任の範囲も広がるでしょう。

そういった「責任」の積み重ねから、「正社員で働くのは荷が重い…」と思ってしまう事があるのだと考えれます。

低月給だと、バイトの方が稼げる気がする

転職したばかりや、理想の月給に近づけないとき、「正社員じゃない方が稼げるのでは?」と思ってしまう方もいるでしょう。

「副業禁止」が就業規則に含まれている事が多い正社員では、所属会社以外での掛け持ちバイトが出来ません。集中して収入が欲しい時でも、突発的な収入が見込めないことから、「そもそも正社員では無く、アルバイトを本業にし、空いている時間に掛け持ちでバイトをした方が稼げるのでは…?」と考えてしまう方がいても可笑しく無いという事です。

安定した収入が得られるかは会社にもよりますが、色々な職種に挑戦してみたい方や、理想の収入を目指している方は、そういった働き方を視野に入れてみても良いでしょう。

ボーナスが少ない

正社員の大きなメリットと言ったら、「賞与がある」ことですよね。寧ろ、それを楽しみに仕事をしている方も多いのでは無いでしょうか。
年に1回~2回でも、月給以外の収入があるのは、それだけお金の余裕が生まれ、精神的にも心のゆとりができます。
しかし、昨今新型コロナウィルス感染防止対策が設置されたことにより、大手企業でも年間業績が大幅にダウンし、多くの方が例年通りの賞与を支給されませんでした。日本経済全体が同じ苦しみを味わったからこそ、不満だと思っても大きな声で吐き出せない問題とも言えます。

そんな情勢の下で、「賞与が無いなら、正社員じゃなくても良いかも…」と疑問を感じた方も中にはいたでしょう。それほど、「ボーナス」「賞与」の価値は労働者にとってとても重要な事なのです。

人間関係が面倒くさい

「コミュニケーション能力」というのは、どんな雇用形態でも必須スキルとなっていますが、正社員になると更に重要性が増してきます。

社内の「報・連・相」はもちろんのこと、社外でも、人と人の繋がりで「ビジネス」が成立します。時には苦手だと感じる方とも、会社の利益のために仕事をしなければなりません。
それにより、人間関係で疲れてしまう事や、名前を覚えるのに混乱してしまう事など、疲労ストレスが蓄積される恐れがあります。
特に、同じ部署の人との人間関係があまり上手くいっていない場合は、会社に行く事が嫌だと思う瞬間があるかもしれません。

適度な距離感や、息抜きなど、自分なりのルールが作られれば、どこかで折り合いが付けられますが、それが苦手にとっては正社員で働く事が重荷と感じてしまう事でしょう。

長期の休みが取り辛い

数日程度なら、仕事に影響しない程度のスケジュールが見積れますが、長期の休みとなると、周囲の協力が必要となります。正社員として、責任ある仕事を抱えていると、長期休みを取る前から手間と引け目を感じてしまうのです。

また、「休みの日まで仕事したくない…。」と思っていても、有休中にメールや電話が来るなんて事も…。

そんな時、アルバイトの様に、自分の好きなシフトを入れられる環境に魅力を感じてしまう事もあるかもしれません。

異動・転勤する可能性がある

勤務する会社によって、グループ会社や別の支店に転勤・出向する可能性もあります。希望は口にできても、転勤・移動の辞令は従う義務があるので、不満は口に出来ませんよね。
自分の生活リズム、住居が変わることにストレスを感じる人は、「正社員=身動きが取れない」とイメージ付けしてしまう事もあるはずです。
もし、最初から転勤や移動をしたくない場合は、入社前に会社側へ確認をしておくことをお勧めします。

自分のやりたい仕事以外の事も頼まれる

正社員は、必ずしもやりたい仕事に就けるとは言えません。その会社独自の分野や、全く関係ない仕事に携わることもあります。
また、同じ会社でずっと正社員として働いていると、他の会社との比較も出来ず、自分の成長が止まっていると感じてしまう事もあるのです。
「隣の芝生は青く見える」という言葉がありますが、今は転職が当たり前の時代なので、新たなライフステージを望んでしまう方もいるでしょう。

アルバイトでも福利厚生がしっかりしている所が多い

正社員として働くメリットとして、「福利厚生」は必須項目とも言えます。厚生年金、社会保険料など、正社員で働くなら必ずあって欲しい待遇です。しかし近年では、正社員に関わらず、契約社員やアルバイトでも「福利厚生」を完備している会社は数多く存在します。そうなってくると、「正社員」と「非正社員」の違いが曖昧になってしまう人がいても可笑しくありません。しかし、非正社員での福利厚生は会社規定によって定められる場合もある為、事前確認が重要となってくるのも確かです。

非正規雇用労働者の調査

総務省「労働力調査(特別調査)」によると、令和元年では、雇用者数5,660万人の中で、非正規雇用労働者(アルバイト・パート・契約社員など)が2,165万人いることがわかりました。前年度より45万人も増加しており、平成6年以降緩やかに増加している傾向にあります。

非正規雇用労働者で、何故その雇用形態を選んだか、多かった順に理由を紹介します。

1位「自分の都合の良い時間に働きたいから」

2位「家計の補助・学費等を得たいから」

3位「家事・育児・介護等と両立しやすいから」

4位「通勤時間が短いから」

一番多い理由が、「自分の都合の良い時間に働きたいから」でしたが、正社員だと拘束時間が決められているため、自分の理想的な勤務スケジュールで働きたいと思う方が多くいるのかもしれません。

昔から正社員が良いと言われている理由

昔から、仕事を始める際に「石の上にも3年」という言葉を良く聞きませんでしたか?
実際に、新卒入社は入社3年目で、退職するケースが最も多く見られるようです。
理由としては、

「先輩や家族から言われたから、3年は頑張った」「3年経つと自分の考えが柔軟になっていて、好きな仕事を見つける余裕が出てくる」「転職するにも、最低3年は勤務した方が良いと思ったから」など、やはりこの「3年目」を意識している人が多く感じられます。

こういった、昔から言われている「正社員」について、「なぜ正社員が良いと昔から言われていたか」について2つご紹介します。

安定した給料と福利厚生

家族や将来の為に、「正社員」で働く事は、何より安定を意味していることだと考えられます。

特に、戦争被害を被った昭和時代では、衣食住が死活問題だった為、「生きていく為に働かなければならない」といった認識が子供でもありました。現代のように職種は豊富では無く、仕事数も少なかったことから、安定した仕事に就ける事は人々にとって僥倖とも言える事だったかもしれません。

そんな時代の風潮によって、現代でも「安定した仕事」=「正社員」が望ましいとされているのは、必然と言えるでしょう。

給料はもちろんのこと、福利厚生がしっかり完備している会社に勤めることは、「将来を考えている」といった理想的な社会人だと言われてきたそうです。

世間からの目

世間から見ると、「フリーター」という肩書は、「正社員」に比べて様々な面で印象が違います。中には、あまり良い印象で見ていない方もいらっしゃいます。20代のうちは、仕事に選択肢もあり、アルバイトの掛け持ちをしていてもまだ受け入れ易いですが、30代でアルバイトとして働いていると、厳しい目で見られてしまう事もあります。収入面でも、アルバイトの掛け持ちより、正社員の方が、長い目を見て高給与が見込めると言った意見が多いことから、フリーターは「将来どうするの?」と思われてしまうのかもしれません。

しかし、目的を持ってアルバイトとして活躍されている方もいるので、近年では昔よりそういった目で見られることも減っているでしょう。

近年で正社員の最大メリットとは?

それでは、近年でも正社員が選ばれている理由とは、一体何なのでしょうか。
多いと思われる最大メリットを紹介していきます。

【雇用の安定】

新型コロナウィルス感染予防対策による影響は、日本労働者に多大なダメージを及ぼしました。それにより休業・閉店・倒産した企業、失業者も少なくありません。「正社員」であるから失業しない、とは言い切れませんが、「正社員」である限り、その可能性は低いと言えるでしょう。近年の状況を見て、「正社員」であることの重要さが如実に表れたのでは無いでしょうか。

【賞与が出る】

例年に比べ、賞与が少なかったり、もしくは支給されていない方もいらっしゃるでしょう。しかし、それでも「賞与」「ボーナス」の重要度が高いのは変わりません。また、「退職金」に関しても正社員ならではの待遇です。
大体は勤続年数が3年以降から積立していく会社が多いように思われますが、あるのと無いとでは大きな差があるように感じてしまいます。

【福利厚生】

福利厚生とは、給与や賞与以外に会社から与えられる報酬又は待遇の事を指します。厚生年金・社会保険の他、在宅手当や家賃補助、健康診断補助、交通費支給など、会社によっては旅行補助や保養施設が完備されていることもあります。こういった待遇は、正社員で仕事を探す際に必ずチェックするポイントと言えるでしょう。

【社会的信用性】

ローンを組む、クレジットカード審査の際など、正社員でいる事により、スムーズな手続きが出来ると言えます。これは、アルバイトやフリーランスで働いている方に比べて、有益なメリットになります。

まとめ

ここまで非正社員にスポットを当てて紹介してきましたが、その中でわかったことは、正社員であることが、人としての価値を決める事ではない、という事です。日本の人口1億2602万人(令和2年 総務省より)もいる中で、働き方の種類は人口に比例します。自分が一番優先する事は何なのか、自分に合った働き方を、試行錯誤していく事が大切なのです。

「周りがそうだから取り敢えず正社員で探す」そこからスタートしても、全く問題ありません。
スタートしてから、自分が仕事に何を求めるのか、どんなことをしたいのか、思考を巡らせて、じっくり考えましょう。人生は長いとも短いとも言えます。その中で探すうえで、転職のプロに相談する事も一度やってみてはいかがでしょうか。

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