日本では少子高齢化と人手不足を背景に、外国人労働者の活躍が当たり前になりつつあります。
製造業や飲食業だけでなく、近年注目されているのが 警備員として働く外国人 の存在です。
「警備の仕事は外国人でもできるのか」
「法律やビザの問題はないのか」
「日本語が完璧でなくても大丈夫なのか」
こうした疑問を持つ方に向けて、本記事では警備員外国人というテーマを軸に、制度・資格・仕事内容・将来性を網羅的に解説します。
目次
外国人は警備員として働けるのかという基本的な疑問
まず結論から言うと、一定の条件を満たせば外国人でも警備員として働くことは可能です。
重要なのは「国籍」ではなく、「法律」と「在留資格」です。
警備員になれない人(欠格事由)
警備員になるには一定の条件があります。
次のような場合は、法律により警備員として働くことができません。
-
- 18歳未満の人
- 破産していて、まだ法律上の手続きが終わっていない人
- 過去に重い刑罰を受け、一定期間が経過していない人
- 最近5年以内に警備業法に違反した人
- 集団で犯罪行為を行うおそれがある人
- 暴力団など反社会的勢力と関係がある人
- アルコールや薬物の依存がある
- 心身の状態により、安全に警備業務を行うことが難しい人
ここで重要なのは、
国籍についての制限は含まれていないという点です。
つまり、外国人であること自体は
警備員になれない理由にはなりません。
※詳細は「警備業法第14条」に定められています。
国籍ではなく、ルールを守れるか・責任を持って行動できるかが評価基準デス。
警備員として働くために最も重要な在留資格
外国人が日本で警備員として働くうえで、
実務上もっとも重要なのが 在留資格(ビザ) です。
在留資格とは、
外国人が日本でどのような仕事をしてよいかを定めたルールであり、
資格ごとに働ける職種が決められています。
警備の仕事が可能な在留資格
| 在留資格 | 警備業での就労 | 補足 |
| 永住者 | 可能 | 職種制限なし |
| 日本人の配偶者等 | 可能 | フルタイム可 |
| 永住者の配偶者等 | 可能 | 就労制限なし |
| 定住者 | 可能 | 警備業可 |
| 特定活動(就労可) | 内容次第 | 個別指定あり |
| 技能実習 | 不可 | 警備業対象外 |
| 技術・人文知識・国際業務 | 原則不可 | 現場警備不可 |
※在留資格によっては個別の許可が必要な場合があります。
※最終的な判断は、入管および警備会社に確認してください。
※在留カードの「就労制限の有無」欄も必ず確認しましょう。
特に注意したいのが「技術・人文知識・国際業務」では警備員として働けない 点です。
警備の仕事は、交通誘導や施設内の巡回など、
現場で体を動かしながら安全を確保する「現業職」 に分類されます。
一方、「技術・人文知識・国際業務」は、
エンジニアや通訳、事務職などの 専門的・知的業務を対象とした在留資格 であり、
現場警備のような業務は原則として認められていません。
そのため、この在留資格を持っている場合は、
警備員として働くことができない という扱いになります。
なお、永住者・日本人の配偶者等・定住者といった在留資格は、
職種制限がほとんどない、または設けられていない のが特徴です。
そのため、施設警備や交通誘導警備などの仕事にも就くことが可能です。
不明な場合は警備会社に直接聞くのが確実デス。
警備の現場で求められる日本語能力の実情
警備の仕事では、日本語能力がまったく不要というわけではありません。
ただし、接客業のような高度な会話力は求められにくいのが特徴です。
日本語能力の目安
- JLPT(日本語能力試験) N3程度:最低限必要
- JLPT(日本語能力試験) N2以上:採用面で有利
現場でよく使われる表現
- 「こちら危険です」
- 「止まってください
- 「通行できません」
- 「少々お待ちください」
短く、明確に伝える日本語が中心です。
机上学習だけでは身につかない「聞く・伝える力」を鍛えられますよ。
警備員になる前に必ず受ける法定教育と研修制度
警備員として働く前には、
新任警備員教育(20時間以上)を必ず受講します。
新任警備員教育の内容
- 警備業法の基礎知識
- 警備員の基本動作
- 緊急時対応
- 業務別の実技訓練
この教育は外国人・日本人を問わず同一内容です。
キャリアアップにつながる警備の国家資格
警備の仕事は、資格によって評価が明確に変わります。
| 資格名 | 警備の種類 | メリット |
| 交通誘導警備業務検定 | 工事現場警備 | 指定路線で配置義務あり。手当・日給アップにつながる。 |
| 施設警備業務検定 | 建物警備 | 大型施設で有資格者配置あり。安定案件に有利。 |
| 雑踏警備業務検定 | イベント警備 | 大規模イベントで配置基準あり。大型案件に対応可能。 |
| 警備員指導教育責任者 | 管理職 | 営業所ごとに選任義務あり。昇格に直結。 |
これらは外国人でも受験可能です。(在留資格に就労制限がない場合)
資格は 国籍に関係なく評価される客観的な証明です。
長期雇用・昇給につながりやすくなります。
施設警備・交通誘導・イベント警備ごとの仕事内容や平均給与を詳しく知りたい方はこちらもチェック!
長期的なキャリア形成や将来性についてはこちらもチェック!
外国人が働きやすい警備の種類とは
警備業務は大きく4つに分類されますが、「向いている・向いていない」という主観ではなく、
業務の特性(負荷)と求められるスキルのマッチングで考えることが重要です。
ここでは、以下の3つの視点をもとに比較しています。
-
- 日本語コミュニケーション負荷:現場で必要になる会話量や説明の多さ
- 体力的負荷:屋外作業・立ち時間・移動の多さなど身体的な負担
- ルーティン度:仕事の手順がどれだけ決まっているか(マニュアル化)
業務別マッチング指標
| 警備の種類 | 日本語負荷 | 体力負荷 | ルーティン度 | 特徴 |
| 施設警備 | 低〜中 | 低 | 高 | 室内中心。マニュアル完備で決まった手順(定型業務)が多い |
| 交通誘導警備 | 低 | 高 | 中 | 屋外中心。瞬時の判断力が必要 |
| 雑踏警備 | 中〜高 | 中 | 低 | 不特定多数と接する。臨機応変な対応力が必要 |
| 貴重品運搬警備 | 中 | 高 | 高 | 責任が重く、チーム連携が重要 |
評価の基準(なぜ「低」「高」なのか)
ここで紹介している「日本語負荷」「体力負荷」「ルーティン度」は、
それぞれ以下の基準で評価しています。
日本語負荷
- 低:簡単な指示や短い声かけが中心
- 中:来訪者や通行人への説明が必要になる
- 高:不特定多数の人と会話する機会が多い
例えば交通誘導では、「止まってください」「こちらへどうぞ」など、
短く決まった言い方の日本語が中心のため、日本語負荷は比較的低めとされています。
体力負荷
- 低:屋内勤務が多く、移動や立ち時間が比較的少ない
- 中:立ち仕事が多く、屋内外の業務が混在
- 高:屋外勤務が中心で長時間の立ち仕事になる
交通誘導警備は屋外での勤務が多く、
夏や冬の気候の影響も受けるため、体力負荷は高めとされています。
ルーティン度
- 高:仕事の手順が決まっておりマニュアル化されている
- 中:基本的な流れはあるが現場判断が必要
- 低:状況に応じて対応が変わる
施設警備は巡回・受付・モニター監視など、
決められた手順に沿って行う業務が多いためルーティン度が高いとされています。
※評価は当社基準に基づき、一般的な警備現場の傾向をもとにしています。
※実際の業務内容や負担は、警備会社や現場によって異なる場合があります。
各業務の特徴と外国人スタッフのリアルな悩み
施設警備の特徴とリアル
施設警備は、ビルや商業施設、工場などでの常駐警備です。
巡回・受付・モニター監視などが中心で、マニュアルが整備されているケースが多いのが特徴です。
日本語の会話量はそれほど多くありませんが、報告書や日報の作成は避けて通れません。
外国人スタッフによくある悩み
「モニター監視は楽そうに見えるが、実際は報告書の作成(特に漢字)が一番の難関になることが多い」
→ 対策としては、よく使う警備用語を事前に覚えておくとスムーズです。
交通誘導警備の特徴とリアル
交通誘導警備は、工事現場などで車両や歩行者を安全に誘導する仕事です。
使用する日本語は比較的シンプルですが、体力的負担は高めです。
また、現場では通行人から声をかけられることもあります。
外国人スタッフによくある悩み
「通行人からの苦情(クレーム)を受けた際、日本語でうまく返せずにストレスを抱えるケースがある」
→ 無理に言い返すのではなく、責任者に引き継ぐ判断も重要です。
雑踏警備の特徴
イベントやコンサート会場などで人の流れを整理する仕事です。
来場者との会話が多く、一定以上の日本語力が求められる傾向があります。
臨機応変な判断力が必要になる場面も多いため、
警備経験を積んだ後に挑戦するケースが一般的です。
貴重品運搬警備の特徴
現金や重要物を輸送する警備です。
体力的な負荷に加え、責任の重さが非常に大きいのが特徴です。
多くの場合、日本人スタッフとペアで行動するため、
緊密なコミュニケーション能力が求められます。
どの業務から始めるべきか
外国人が警備員として働く場合、
日本語力や体力、これまでの職歴によって向いている業務は異なります。
たとえば、
マニュアルが整っている環境を希望する方は施設警備、
体を動かす仕事に慣れている方は交通誘導警備、
語学力を活かしたい方は雑踏警備など、
強みや希望によって選択肢は変わります。
大切なのは「どの業務が一番良いか」ではなく、
自分の在留資格・日本語レベル・体力・将来の目標に合った仕事を選ぶことです。
そのためにも、仕事内容や条件を比較しながら、
自分に合った警備求人を探すことが最も重要といえるでしょう。
データから見る警備業界と外国人需要の将来性
警備業界の現状(公的データ)
- 警備員数:約 58万人(警察庁)
- 50歳以上が約 6割
- 有効求人倍率:5倍以上(厚生労働省)
外国人労働者の増加
- 約 204万人(2023年)
- 国として受け入れ拡大を継続
これらのデータからも、
警備業界は今後、外国人材への依存度がさらに高まると考えられます。
「人手不足 × 長期雇用」が見込める警備業界は、
安定志向の外国人に非常に向いています。
他の仕事と比較して見える警備のメリット
| 比較項目 | 警備 | 飲食 | 工場 |
| 未経験可 | ◎ | ◎ | ◎ |
| 日本語負担 | ◯ | ◎ | △ |
| 安定性 | ◎ | △ | ◯ |
| 資格評価 | ◎ | △ | △ |
警備・飲食・工場はいずれも未経験から始められる仕事ですが、
「日本で長く働く」という視点で見ると警備員には大きな強みがあります。
まず、警備の仕事は法定研修やマニュアルが整っており、未経験でも始めやすい点が特徴です。
飲食業のように高度な接客対応や臨機応変な会話を求められる場面が少なく、決められたルールを守る姿勢が評価されます。
次に、日本語の負担が比較的コントロールしやすい点もメリットです。
警備では
「止まってください」「こちら危険です」など、
短く決まった言い方の日本語が中心のため、
日本語に不安がある外国人でも働きながら慣れていくことができます。
また、警備は建物や工事、イベントがある限り必要とされる仕事で、
景気に左右されにくく安定性が高い のも魅力です。
飲食店の閉店や工場の生産調整と比べ、仕事が継続しやすい傾向があります。
さらに、警備業務検定などの 国家資格によって評価や待遇が明確に上がる ため、将来のキャリアを描きやすい点も警備ならではの特徴です。
こうした理由から、
「日本で長く働きたい外国人」にとって、警備員は現実的で失敗しにくい仕事 と言えるでしょう。
なお、「英語力を活かしたい」「接客や通訳など語学を使う仕事にも興味がある」という方は、英語を使った仕事を紹介している求人特集もチェックしてみてください。
外国人が警備員として働くことは将来につながる選択
警備の仕事は、
- 学歴不問
- 年齢に比較的寛容
- 資格で評価される
- 真面目さが正当に評価される
という特徴があります。
日本で安定して働きたい外国人にとって、
警備員という仕事は現実的かつ将来性のあるキャリアと言えるでしょう。
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