施設警備が「つらい」と感じるのはなぜ?理由や対処法をまるごと解説

警備員の仕事のひとつである施設警備は、さまざまある警備業務の中でもつらいと感じる人が多いようです。それはなぜでしょうか。
今回は、施設警備の辛さやその乗り越え方について解説します。

施設警備の仕事がつらいと感じるのはなぜ?

施設警備は何がそんなにつらいのでしょうか。ここではその理由を解説します。

そもそも施設警備とは?

施設警備は1号警備業務と呼ばれており、施設やその利用者の安全や財産を不審者などから守る仕事です。主な警備先は、マンションや商業施設などが挙げられます。

警備業は業務ごとに4種類に大別され、その中のひとつが1号警備業務である施設警備です。このほかに、2号警備業務の交通誘導、3号警備業務の貴重品運搬、4号警備業務の身辺警備があります。

施設警備がつらいと感じる理由

施設警備に従事する中で、つらいと感じるのはどんな理由からなのでしょうか。

勤務時間が長い、拘束時間が長い

施設警備は当直勤務がある場合、勤務時間が非常に長くなります。そのため、パトロール以外は時間を持て余しがちです。

大切な業務ではあるものの、その持て余す時間の長さがつらいと感じる人もたくさんいるようです。

体力的につらい

年齢によっては当直勤務が体の負担になることもあります。立ちっぱなし、歩きっぱなしなどの仕事も多いので、体力的につらいと感じる人もいるのです。

ストレスが多い

警備の仕事は、安全を守るための責任が重い仕事です。事件や事故のリスクから、気を抜くことができません。また、人間関係やコミュニケーションを負担に感じる場合も、非常にストレスが溜まってしまうでしょう。

警備員は、施設の利用者や関係者、近隣住民からのクレームを直接受ける立場にいます。厳しい言葉をかけられても後を引かないように、日々のメンタルケアが欠かせません。

施設警備の仕事のメリット

ここまで紹介したように、施設警備は決して楽な仕事ではありません。
しかしその一方で、施設警備ならではのメリットもあります。

施設警備は比較的体力負担が少ない

施設警備は体力を使う場面が多くないため、比較的に負担が少なくて済むのがメリットといえます。高齢の転職者にも向いている仕事です。

拘束時間が長くても、しっかり休める

勤務の拘束時間は長いですが、決まった日課以外は自由に過ごすことも可能です。しっかりと休めるので、体力の回復や気分転換を十分に行うことができます。

施設警備員は基本的に平日が休みなので、休日の出先は人が少ないのでゆっくりと過ごせます。また勤務体制によっては24〜48時間休める場合があるので、休みが多く感じられるでしょう。

拘束時間が長い代わりに休みの時間もまとまって取れるので、時間を上手く使えばダブルワークも可能です。

当直のローテーションで休みも取りやすい

仕事はシフト制のローテーションなので、同僚と時間を調節すれば休みがとりやすいのもメリットです。まとめて働いてまとめて休むことも可能なので、まとまった休みが欲しい人には向いているといえます。

休憩がとりやすい

当直の勤務のように、泊まり込みで業務にあたることもめずらしくありません。24時間以上の勤務になることもありますが、ずっと働き続けているわけではありません。休憩時間や食事時間があるので、拘束時間が長くても無理なく働くことができます。

暇な時間があることも

施設警備の仕事には、暇な時間帯もあります。特に、深夜は来客もほとんどいなく人の目がないので、暇を活用して目立たないように読書や副業をすることも可能です。

女性警備員の需要も高い

施設利用者との応接面では、女性の警備員が人気です。また、女性が多く出入りする施設なども女性の警備員だと安心できると需要が高まっています。

やりがいのある仕事

警備員は社会的に貢献できる仕事なので、やりがいを感じることができます。人から感謝される充実感もあるため、人の役に立ちたい人にはぴったりです。

未経験でもすぐ働ける

警備員は、応募条件に当てはまれば未経験者でも問題なく採用されます。希望条件にあった求人を見つけたら、初心者でも積極的に応募してみると良いでしょう。

稼ぎやすい環境

警備業界は常に人不足です。シフトを増やしたいと希望をすれば通りやすいですし、残業もしやすいので、非常に稼ぎやすい状況です。

ただし働きすぎて体を壊しては意味がありません。休養はしっかりとるようにしましょう。

警備会社によっては福利厚生が充実

社会保険完備、制服貸与、交通費全額支給、有給休暇、各種手当など、福利厚生が充実している警備会社も存在します。また入社祝い金、昇給、ボーナスなど、金銭面での待遇を良くしている会社もあります。

待遇や福利厚生の充実度は警備会社によって異なるので、入社前にしっかりと見極めることが大切です。

施設警備の仕事のデメリット

施設警備の仕事のデメリットも確認しておきましょう。

神経質な人には向かない

24時間勤務もある施設警備員の仕事は、神経質な人にとってはストレスを感じる環境でしょう。仮眠時に物音がすることもあるため、家でしか眠れないような人にとっては「つらい」と感じるかもしれません。

暇ができてしまう

施設警備では、どうしても暇な時間が出てきます。忙しければ時間はあっという間に経ちますが、暇なときは時間の経過が遅く感じるものです。ひたすら座っていなければならないこともあるので、時間のつぶし方がわからないと厳しいでしょう。

警備会社によって給与に振り幅がある

警備員の給与は、会社によって大きく異なります。時給換算するとほぼ最低賃金になってしまう会社もあるので、仕事を選ぶ際は慎重に見極める必要があります。

施設警備の仕事がつらいときの対処法

施設警備は何がそんなにつらいのでしょうか。ここではその理由を解説します。

オンとオフの切り替えをしっかりする

休めるときにしっかり休むことが何よりも大切です。体調を万全に整えれば、辛さも軽減されるため、メリハリのある生活を心掛けましょう。

ストレスを発散する

音楽や読書、カラオケなどでリラックスに努めることも大切です。余暇を充実させる、趣味をもつなど、自分なりのストレス発散法を見つけましょう。

資格を取ってキャリアアップを目指す

警備に関する各種検定の受検や、指導教育責任者の資格取得をおすすめします。昇給・昇任も狙えるだけでなく、勤務の自由時間に勉強できるため、一石二鳥です。

配属先を変えてもらう

施設警備がつらい場合は、配属先を変えてもらうのもひとつの方法です。配属先によっては1号警備以外の業務も選べるため、上司に相談してみましょう。

転職するのも良い方法

警備会社にもさまざまあるので、会社によって働きやすさが異なります。警備員経験や資格があれば転職にも有利です。同業他社への転職を検討するのも良いでしょう。働く環境を変えて心機一転してみてはいかがでしょうか。

警備会社を変える際に、他の警備業務に就くのもひとつの手です。警備には、1号から4号まで種類があります。施設警備以外の警備の仕事も候補に入れてみましょう。

1号業務

施設警備は1号業務に当てはまります。

契約した施設に常駐する施設警備のほか、複数の施設を移動して定期的に見回りをする巡回警備、万引きなどを防止する保安警備、航空機内への持ち込み禁止品の持ち込みを防止する空港保安警備、センサーを通じて契約先の不審者や火事の発生を警備会社のセンターで監視する機械警備があります。

2号業務

交通誘導と雑踏警備が2号警備です。交通誘導は、工事現場や駐車場などで、歩行者、自転車、車を誘導します。雑踏警備は、花火大会などのイベントで人の将棋倒しや群衆なだれが起きないよう誘導する仕事です。

3号業務

運搬中の物品の盗難や事故を防止する運搬警備業務が3号業務です。特殊車両などで荷物を指定された場所まで運びます。現金や重要書類や小切手、核燃料など運ぶものはさまざまです。

4号業務

4号業務は、対象者の身辺警備を行います。一般的には、ボディガードとも呼ばれています。現在では、芸能人や政治家といった要人だけでなく、一般の大人や子どもも警護対象者となるケースが増えています。

まとめ

さて、今回はつらいといわれる施設警備の仕事と、辛さを乗り越えるための対処法を紹介しました。施設警備はつらい仕事ですが、余暇の充実や休みが取りやすいなどのメリットもたくさんあります。それでもつらい場合は、心機一転して同業他社への転職を考えてみるのもひとつの方法です。自分に適した働き方はどんなものなのか、しっかりと考えてみましょう。

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