鉄道に興味ある方注目!「列車見張員」ってどんな仕事?

駅のホームで電車を待っているとき、線路横に設置されている巨大広告ポスターの貼り換え工事を見た事ありませんか?
電車が行き交う中、背の高い脚立に乗り、新しい広告ポスターへ張り替える作業は、とても大変そうですよね。
しかし、よく見てみると、その作業員の下に旗を持って周囲を警戒している方がいます。その方が「列車見張員」と呼ばれている方です。

今回は、その「列車見張員」にスポットを当てて、詳しい仕事内容までご紹介していきます。
「列車見張員」はケイサーチでも求人を取り扱っているので、興味がある方は是非参考にしてみてください。

列車見張り員は何をしている人?

線路内の工事、又は線路付近で工事を行う際、走行している列車が接近して来ないか安全確認をしながら見張る人を指します。
また、工事は列車が行き交う危険な中行うので、「列車見張員」の資格を持っている人しか配置されません。
もし「列車見張員」が集められなかった場合、工事そのものが中止となる事もあるのです。

詳しい仕事内容

【主な活動場所】
列車見張員は、鉄道路線の補修工事や点検作業、駅舎の修繕、効果橋工事、看板設置工事などの際、主に路線脇にてスタンバイします。周囲の安全確保が最重要になるので、列車が見やすく安全な場所が見張員の立ち位置となります。1つの現場に対する活動期間は、規模により3ヵ月~1年と様々です。

【現場の仕事例】
◇スタンバイ
工事現場の路線両脇で、列車のダイヤを確認しながらスタンバイします。運行管理部と連絡を取るなど、常に運行状況を気に掛けます。
(工事は列車が走行していない深夜帯に行われることが多いのですが、場合によっては昼間実施することもあります。)

◇列車が迫ってきたら
列車がくる数分前になったら、他の見張員と連携を取り、接近してくるまでの時間をトランシーバーやスピーカーなどで作業員に伝えます。それを合図に作業員は作業を中断し安全確保の為、路線脇に退避します。

◇避難完了
その場にいる全員の退避が確認出来たら、見張員は持っている黄色い旗を掲げ、迫ってくる列車の運転手に合図を送ります。合図を受けた運転手も、現場にわかるよう合図で応えてくれます。

◇列車の通過後
列車が無事に通過し、再度安全確認を終えたら、作業再開をアナウンス。また、次の列車が接近するまでの時間を確認し、作業員へ伝えます。

列車が速いスピードで目の前を通り過ぎる瞬間、見張り員ならではの緊張感があるとのこと。
作業に集中している作業員の安全確保を任されている見張り員は、命の危険と隣り合わせで仕事しなければならないのです。

◆万が一退避出来ない場合

もし、緊急に何かが起こってしまい、退避が不可能となってしまった場合は、向かってくる列車の運転手にすぐ知らせなければなりません。運転手がわかるように、列車防護用具を使い(発煙筒や赤旗)列車を停止させます。

見張員が行動する事は、全て工事管理者の許可が無ければなりません。基本的に、独断で移動することも禁止されています。

【使用する道具の例】
列車ダイヤ・時計(電波時計)・笛又はメガホン・セーフティーベスト・赤ボールペン・アラーム機能付きタイマー・列車防護用具

列車防護用具とは、列車を停止させる時に必要な道具です。主に、軌道短絡器、信号炎管、赤旗、列車見張員支援装置を指します。

列車見張り員になるには?

仕事内容からして、難しいイメージがついてしまったかもしれませんが、アルバイト雇用で未経験から募集している会社もあります。その場合は、資格を持っていない所からスタートするので、会社に入ってから資格を取得する事になります。
「列車見張員」になる一番良い方法が、「列車見張員」を未経験歓迎で募集している警備会社に勤め、働きながら資格を取得していく事なのです。資格を取得するまでは、別の警備業務を務めるケースが多いのでその間無職になる心配はありません。資格を取得できるまでの時間は、会社によって異なりますが、大体一ヵ月前後と見ておくことが必要です。

資格の取得方法

「列車見張員」の資格は、民間資格です。
取得方法は、日本鉄道施設協会、又は鉄道電業安全協会が主催する講習を受け、検査や試験に合格すること。

個人で直接申し込むことが出来ないので、基本的には所属している警備会社を経由して、申し込みます。

列車見張員の講習・試験・検査

列車見張り員の資格には、「施設資格試験」と「電気資格試験」に分かれており、どちらを受けるかによって認定会社が変わって来ます。

今回は、「施設資格試験」を受験する想定で、JR東日本より認定業務を委託されている、日本鉄道施設協会の内容を紹介します。

【受験資格】
経験年数ともに特にありませんが、新規受験者は合格後、資格認定の申込をする際に、健康診断書が必要になります。「医学適性検査」の基準に満たしていなければ、資格認定証が交付出来ません。

【講習の申込期限】
新規取得者…講習会開催日から4週間前の金曜日
(満席になると、参加出来なくなります。)

~申込必要書類~
・申込書(日本鉄道施設協会のHPに有り)
・写真張り付け台紙(日本鉄道施設協会のHPに有り)
・定期健康診断写し
・払込受領証の写し

【開催日】
日本鉄道施設協会の公式ホームページ、又は経由する会社へご確認下さい。講習会は、年に数回行われます。

【講習内容】
・保安講習会
・実技訓練
・学力検査
・実技検査
・運的適性検査

資格認定証を交付するには、上記全ての項目に受験し、合格する必要があります。
保安講習会では、ダイヤの見方や実際に使用する道具の使い方など、業務に必須な知識とスキルを学びます。
試験の難易度はやや低めなので、しっかり講義を受け要点をおさえておけば合格を狙えるでしょう。

【資格の有効期限・継続手続き】
資格の有効期限は1年となっており、継続するには継続認定が必要になります。
継続認定は、「講習会・実技訓練・学力検査・実技検査・運転適性検査」を受けることで交付されます。

~申必要書類~
・申込書(日本鉄道施設協会のHPに有り)
・写真張り付け台紙(日本鉄道施設協会のHPに有り)
・認定証の写し
・払込受領証の写し

列車見張員(施設・電気)の資格で出来る事

〇重機誘導員
線路内の工事で使用するクレーンやバックホウの誘導を行います。重機の取り扱いは大事故に繋がる可能性もあるため、重機1台につき重機誘導員を1名が配置されます。高圧線や設備などの接触を防止し、重機が横転した時は、列車防護の措置が取れるよう常に警戒が必要な業務です。

〇旅客誘導員
ホーム内での工事や、駅舎・エレベーター等の整備作業の際、旅客の誘導・安全確保を行います。無資格者が勤務する場合がありますが、緊急時に列車を停止出来るのは「列車見張員」の有資格者だけになります。

〇踏切監視員
信号機器や通信機の配線工事などで、一時的に踏切の機能を停止させる事があります。その場合、停止している遮断機や警告期の代わりに、「踏切監視員」が必要となります。踏切を横断する通行人や車両の安全確保から誘導まで、踏切設備の代役を務めます。

列車見張り員と関わりのある資格

〇特殊列車見張員
「列車見張員」のワンランク上で「特殊列車見張員」という認定があります。
線路の軌道保守工事・作業や鉄道会社が指定した一部の土木工事を担当する場合、必要となる資格です。

〇工事管理者
線路内や線路付近で工事を行う際は「工事管理者」の資格保持者が必要となります。「列車見張員」として現場に行く場合は、必ず「工事管理者」と連携を取らなければなりません。資格は主に在来線と新幹線の2種類に分かれており、日本鉄道施設協会で取得可能です。

列車見張員アルバイトの月給例

では、実際に列車見張り員で働いた場合、月給はどのくらいにるのか例を挙げてみます。

~東京都のA社に列車見張り員アルバイトで22日間勤務した場合~

日勤 日給9,500円×22日
=209,000円

夜勤と日勤でも、日給が異なってきますが、日勤で22日間働いた場合の月収は209,000円となりました。
更にここから、資格手当や通勤費が支給されるとしても、そこまで低い金額ではありませんね。
会社によっては、最適日給が10,000~11,500円にしているところもあるので、興味のある方は色んな求人を比較してみてください。

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まとめ

「列車見張員」は、鉄道関係に興味がある方ならとてもお勧めできる仕事です。トイレへ行き辛かったり、天候によっては過酷に感じることもあるかもしれません。
ですが、普通なら立ち入れない線路上で、工事作業員の安全を守る業務は「列車見張員」にしか出来ません。
資格の費用も負担してくれる警備会社を選べば、ある程度の負担を感じることなく資格が取得できます。
少しでも興味のある方は、これを機会に一度挑戦してみるのはいかがでしょうか。

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