警備員で年収1,000万円稼げる?平均年収や収入アップの方法3つを紹介

年齢層平均月収(千円)
30~34歳306.3
35~39歳320.5
40~44歳326.6
45~49歳336.8
50~54歳311.4
55~59歳292.4
60~64歳245.7
65~69歳218.3

就職して警備員になったけど、思ったより年収が低い、と感じたことはないでしょうか?警備員の年収は300〜400万円であり、人によっては少ないと感じる数字です。

業務内容によって年収は異なるものの、管理職になれば年収1,000万円も夢ではありません。

本記事では、警備員の平均年収や年齢・性別・階級による年収の差、年収の上げ方を解説しますのでぜひ参考にしてみてください。

警備員の平均年収は300~400万円

独立行政法人統計センターが集計した「賃金構造基本統計調査(令和5年度)」(※)では、警備員の賃金に関して以下のようにわかりました。

  • 年間の実労働時間:169時間
  • 月当たりの現金支給額:約27万9,000円
  • 所定内給与:約23万8,000円
  • 賞与・特別支給:約40万3,000円

月収を27万円、賞与・特別支給を40万円として計算をすると、平均年収は364万円です。集計結果には、正社員だけでなくアルバイト・契約社員なども含まれていますが、いずれにせよ高給取りとはいえません。しかし、一部の警備員は、平均より高い給与を得られるケースもあります。

(※)参考:独立行政法人統計センター「令和5年賃金構造基本統計調査」

【30~60代】年齢別・平均年収

警備員も、年代によって月収が異なる職業です。30〜60代までの平均月収金額を下表にまとめました。

年齢層 平均月収(千円)
30~34歳 306.3
35~39歳 320.5
40~44歳 326.6
45~49歳 336.8
50~54歳 311.4
55~59歳 292.4
60~64歳 245.7
65~69歳 218.3

 

独立行政法人統計センター「令和5年賃金構造基本統計調査」を参考に筆者作成

30〜50代では月収30万円台をキープしており、年齢層が高くなるにつれて20万円台へと落ちる傾向にあります。しかし、一般企業と比べると、20代の若者や60代を過ぎたシニア層との収入格差は大きくありません。若い層やシニア層でも、比較的高い収入を得られます。

雇用形態・階級・区分別警備員の平均年収

警備員の年収は年代だけでなく、雇用形態や階級などによっても大きく変わります。雇用形態や階級別の警備員の平均年収はどのくらいか、詳しく見てみましょう。

  • 雇用形態別
  • 階級別
  • 警備区分別

雇用形態別|平均年収

雇用形態別の平均年収は、次のとおりです。

雇用形態

およその年収(円)

正社員

340万

契約社員

300~320万

アルバイト

240万

警備会社の正社員年収は、一般的な正社員よりも少し低めです。契約社員やアルバイトになると、さらに年収が下がります。しかし、副業やアルバイトの掛け持ちをすれば、生活には困らないでしょう。

階級別|平均年収

階級別の平均年収は、次のようになります。

階級

およその年収(円)

一般警備

250万

副隊長警備

250万

隊長警備

300万

管理職

340万

入社直後は一般警備となり、年収は250万円ほどです。副隊長警備は一般警備とほとんど変わりませんが、隊長警備・管理職になると一般警備よりも50〜90万円ほど大幅にアップします。

警備区分別|平均年収

仕事の種類によっても、年収は変わります。具体的には次のとおりです。

仕事の種類

警備区分

およその年収(円)

施設警備

1号

300~450万

交通誘導警備・雑踏警備

2号

220万~

輸送警備

3号

200~400万

身辺警備

4号

420~550万

警備の仕事は種類によって、1〜4号の「警備区分」に分けられます。専門性が高く、危険な仕事ほど年収が高い傾向です。

仕事内容によっては専門的な資格や技術が必要なだけでなく、危険が伴うケースもあるため、年収の高さだけで仕事を選ぶのはおすすめしません。

性別による年収の違い

考える男性警備業界では、性別による年収に差があります。性別ごとの平均年収を次の表にまとめました。

 

男女合計

男性

女性

年齢(歳)

51.6

52.3

40.6

所定内労働時間数(時間)

169

169

168

きまって支給する現金給与額(千円)

279.8

282.4

241.2

警備員の男女別状況(人)

58万2,114

54万2,743

3万9,371

独立行政法人統計センター「令和5年賃金構造基本統計調査」警察庁生活安全局生活安全企画課「令和4年における 警備業の概況」P2を参考に筆者作成

労働時間がほぼ変わらないにもかかわらず、男性と女性では月4万円程度の収入差があります。また、女性警備員の数も全体の約6.8%と非常に少ないのが現状です。

男性のほうが年収は高め

警備業界では、女性より男性のほうが年収は高い傾向にあります。主な理由は、次の2つです。

  • 業務内容によって男性が優先されやすい
  • 家庭生活との両立が難しい

警備業のうち、年収が高い仕事ほど危険が付き物です。身辺警備やボディガード、貴重品輸送などの業務中に襲われ、もみ合いになる恐れもあります。危険が伴う仕事を任せるために、雇い主側はどうしても力の強い男性を優先したくなるでしょう。

また、警備の現場によっては夜勤が発生することもあり、生活が不規則になります。体力や根気が必要なので、家庭生活と仕事の両立が難しくなりがちです。

女性警備員の活躍が増える可能性もある

近年では、女性専用の施設・マンション・イベントなど、女性警備員が活躍する場面も増えています。将来的に女性警備員の需要が上がれば、性別による収入差がなくなるかもしれません。

実際、体への負担を軽減する「座哨(ざしょう)」の導入など、女性でも警備員を続けやすい工夫が進められています。詳しくは、警備会社『ウェブノ株式会社』の特集をチェックしてみてください。

警備員が収入を上げる3つの方法

腕組をしている男性警備業界で高収入を目指す方法は、次の3つあります。

  • 資格の習得
  • 雇用形態を変える
  • 転職をする

資格の取得

転職せずに年収を上げるには、資格の取得が効果的です。警備の現場には、特定の資格保持者が駐在し、ほかの警備員を指導する場面が少なくありません。そのため、警備に関する資格を取得すれば、キャリアアップする可能性があります。

警備会社としても、資格を持った社員の確保は急務です。「資格取得済みの人材を雇用するか」「社員に資格を取得させるか」どちらかの対策が必要になります。

資格を持った人材は会社から重宝されやすいため、昇進を狙う場合は、積極的に資格を取得しましょう。

のちほど「警備員の給与アップに役立つ資格8選」で警備員が取得したい資格について詳しく解説しますので、このまま読み進めてください。

雇用形態を変える

非正規雇用から正規雇用にランクアップすれば、必然的に年収も上がります。現在アルバイトとして働いている方は、社員採用を狙ってみましょう。社員に採用されるには、警備関係の資格を取得するのがおすすめです。

アルバイトで得た知識・経験を資格取得に活用できるため、未経験よりも試験に合格する確立は上がるでしょう。警備員としてキャリアアップしたい場合は、資格の取得が必要になります。

転職をする

警備業界内で転職し、より規模の大きい警備会社に移るのも有効な手段です。警備員の年収は会社の規模に左右されるケースもあるため、転職をする際は「従業員の数」も確認項目に入れてみましょう。

また、地域によっても年収が異なります。地方都市よりも東京・大阪といった都市圏のほうが収入も高いため、人口の多い場所で働ける会社に移るのもおすすめです。

警備員の給与アップに役立つ資格8選

悩む男性警備員として給与を上げたい場合は、次の資格を取得するのがおすすめです。

  • 機械警備業務管理者
  • 施設警備検定
  • 交通誘導警備検定
  • 雑踏警備検定
  • 貴重品運搬検定
  • 核燃料運搬警備検定
  • 空港保安警備検定
  • 警備員指導教育責任者資格

ひとつずつ詳しく解説します。

機械警備業務管理者

機械警備業務管理者は、機械設備の警備に必要な国家資格です。取得には、次の手順を踏みます。

 

  • 機械警備業務管理者講習を受講(3日間)
  • 修了考査(テスト)に合格

 

「機械警備業務管理者講習」は、都道府県の公安委員会が実施する講習です。受講条件に警備の実務経験や資格は必要ないため、誰でも申し込めます。

公安委員会が主催する講習に参加し、最終日のテストに合格すれば資格を取得できます。警備員の就職前にも取得できるので、面接時の自己アピールとして取得するのもおすすめです。

施設警備検定

施設警備検定は、施設警備員のスキルアップに必要な資格です。1級・2級の区分があり、まずは2級を取得します。

取得方法は、次の2種類です。

  • 特別講習を受け、修了考査に合格する
  • 直接検定を受ける

「直接検定」は9割以上の得点が必要であるため、合格率は2〜4割ほどと低くなります。一方、「特別講習の受講」は6〜8割が合格できるため、特別な理由がなければ講習を受けるのがおすすめです。

交通誘導警備検定

交通誘導警備検定は、高速道路・一般道で車両を誘導する知識・技術の証明となる資格です。1級と2級があり、2級は誰でも受検できますが、1級は2級取得後1年間の実務経験が必須となります。

資格取得には、特別講習を受けたあとで修了考査に合格しなければなりません。道路交通法のほか、護身術や応急処置などの知識も出題されるため、講習の内容をしっかりと記憶しましょう。

雑踏警備検定

雑踏警備検定は、人が多く集まる場所での警備技術を証明する資格です。1級・2級の区分があり、まずは2級から取得します。

講習の内容は次の2種類です。

  • 学科講習
  • 実技講習

学科講習では警備業法・憲法・民法など、警備に必要となる知識を問われます。実技講習は、実戦で実技を学ぶ試験です。2つに合格すると「成績証明書」が交付され、資格を取得できます。

貴重品運搬検定

貴重品運搬検定は貴重品の輸送業務に役立つ資格で、取得方法は2とおりあります。

  • 都道府県の公安委員会が主催する講習を受講して、修了考査に合格する
  • 貴重品運搬検定を直接受検する

実務だけなら必要ありませんが、現場には資格保持者1名以上の同伴が必須です。資格を取得すれば、いずれ貴重品運搬の責任者を任されるようになり、キャリアアップにもつながります。

受講には、運転免許の保持が必要です。

核燃料運搬警備検定

核燃料運搬警備検定は、核燃料といった危険物の運搬時に使用する資格です。危険性の高い運搬物が破損したり、盗まれたりしないようにする知識・技術の証明となり、現場には資格保持者の配置が義務付けられています。

現場の数は少ないものの、重要度と希少性が高いため、警備現場でのニーズが高い資格です。現場リーダーや管理職を目指すなら、取得しておきたい資格でもあります。

空港保安警備検定

空港保安警備検定は、飛行場の検査場で働くための資格です。1級と2級の区分があり、1級を受験するには、2級取得後に1年以上の実務経験が必要となります。

警備員としては特殊な仕事であるため、求職中の方にもおすすめの資格です。また、取得していると役職に就きやすくなったり、年収が上がったりします。転職にも有利になるので、給与アップを狙う方は取得を検討しましょう。

警備員指導教育責任者資格

警備員指導教育責任者資格は、警備会社で管理職になるために必須の資格です。現場未経験では受験できず、直近の5年間に勤務した経験が3年以上必要になります。

さらに、取得の条件も他の資格と比べて厳しくなっています。

  • 受講する警備業務区分の警備員検定1級に合格
  • 受講する警備業務区分の警備員検定2級に合格、合格後1年以上警備業務に従事
  • 受験しようとする警備業務区分の旧2級の有資格者、1年以上継続して従事

条件は厳しいですが、管理職になりたい場合はぜひ挑戦してみましょう。また、昇進を狙うなら日々の業務態度にも注意してください。

【体験談】アルバイトから管理職へ昇格が実現!

パソコンを打つ男性元々警備のアルバイトだったAさん(仮名)が正社員になり、大幅な年収アップが実現しました。そこでAさんがどのようにして、アルバイトから正社員を経て管理職へ昇格したのかインタビューしました。

警備のアルバイトでの経験

当時、Aさんは別の仕事をしており、警備の仕事は副業で行っていたそうです。警備業は副業の中でもよく選ばれている仕事で、無資格・未経験からでも始められます。また、現場の数は多いため、求人も頻繁に出されています。

Aさんはアルバイト時代、現場業務を2年半勤めたあと、内勤業務にあたっていました。現場とは、屋外に出て人や車の誘導・対応などにあたる業務です。内勤は、取引先の要望に合わせて現場に警備員を手配する「管制」という管理職の仕事を指します。

管制の仕事は難しい仕事であるため嫌がられがちですが、Aさんは「管制の仕事に興味があった」とのことです。

アルバイトから正社員へ

Aさんがアルバイトから正社員になれたのは、管制の仕事がきっかけだったそうです。事務所で管制の仕事を見ていたところ、上司から社員登用の誘いがあり、そのまま正社員になりました。

Aさんは以前から正社員を目指していて、「常に挨拶を欠かさない」「ゲート前の掃除を徹底する」など、常日頃から業務以外の努力もしていました。

アルバイト時代から、難しいとされる管制の業務にあたっており「現場からの評価がよかった点も正社員になれた理由のひとつ」とのことです。また、正社員を目指すにあたって、Aさんは資格取得に向けた勉強もしていました。

資格取得や講習費用などは警備会社が負担してくれることも多いので、警備の仕事で正社員を考えているのなら、積極的に活用しましょう。

年収アップの秘訣とは

警備の年収アップには資格が重視されます。警備で必要になることが多い「交通誘導警備業務2級・1級」は、持っていて損のない資格です。警備の種別によって必要な資格は異なるので、警備会社に確認しましょう。

Aさんのケースでは、資格取得によって給与に資格手当が加算され、昇給も加わったことで大幅な年収アップが実現しました。

転職で収入アップ!自分に合う警備会社を探すポイント7つ

パソコンに向き合う男性資格を取得しても、職場環境が自分に合わなければ仕事を長く続けられません。自分に合う警備会社を探すときには、次のポイントを押さえましょう。

  1. 会社比較サイトで比較してみる
  2. 雇用条件・待遇がよい
  3. 勤務時間の融通が利く
  4. 会社の福利厚生を受けられる
  5. 会社の理念や社風で判断する
  6. 実際に体験してみる
  7. 求人サイトで探す

 1.会社比較サイトで比較してみる

就職に関する口コミサイトは、さまざまな人の口コミが掲載されています。気になる会社を見つけたら、他の会社と比較することで、どのような会社なのか判断できるでしょう。

口コミサイトの情報は、あくまで個人の主観にもとづく情報です。客観的な事実でないことを念頭において、自分に合った会社を見つけてみてください。

 2.雇用条件・待遇がよい

入社を考えるうえで、給与体系や雇用条件は大切です。雇用形態や給料、待遇がどのようなものか、確認しておきましょう。

また、雇用条件について会社に質問した際「担当者が丁寧に説明してくれるか」も、会社選びの判断材料になります。わからないことを積極的に質問して、よい雇用条件の会社を狙いましょう。

3.勤務時間の融通が利く

警備の現場によっては、夜勤があります。施設警備を行う会社なら、就業条件に夜勤への対応が含まれるケースもあるでしょう。夜勤を避けたい場合や、ほかの仕事・家庭生活と両立したい場合は、勤務時間の融通が利くかを調べたいところです。

会社によっては、勤務時間の相談に応じてくれることもあります。また、夜勤を避けたい場合は、日勤のみの会社を選ぶのがおすすめです。

4.会社の福利厚生を受けられる

会社の福利厚生も、重要な判断基準です。警備業界でも、大手会社は福利厚生が充実しており、研修制度や資格手当などの制度が整っています。

会社によっては、資格の受講料を負担してくれる制度も利用可能です。昇進や年収アップを狙うなら、資格取得支援の制度がある会社を選びましょう。

 5.会社の理念や社風で判断する

会社の目的やマインドを言葉で表した「企業理念」や「社風」も会社選びのポイントになります。自分と考え方が近く、心地よく働ける会社を選べば長く勤務を続けられるでしょう。

また、企業理念や社風を研究すると、面接で有利です。自分の考え方を整理し、近い理念・社風の会社を選ぶことで、採用の可能性を上げられるでしょう。

6.実際に体験してみる

警備の仕事が合っているか、会社と相性がよいかは、実際に働いてみないとわからないものです。

会社によっては、入社前に警備員の仕事を体験できる制度があるため、積極的に利用してみましょう。

7.求人サイトで探す

転職先を探すには、募集が集まる求人サイトを利用するとよいでしょう。全国各地の仕事が掲載されているため、条件に合った仕事を見つけやすくなります。警備業が未経験の場合は「初心者OK」と明記されている仕事を探してみましょう。

警備の仕事を探すなら、警備求人が豊富な『ケイサーチ!』がおすすめです。求人の中には、資格取得支援制度付きの募集もあるため、年収アップを目指したい方は、この機会にぜひ『ケイサーチ!』を利用してみてください。

資格取得や転職で警備員の年収アップを目指そう

 

腕組をしている男性警備員で年収を上げるには、資格の取得や転職がおすすめです。管理職まで昇進するのが難しくても、資格取得や転職に成功すれば、年収アップが見込めます。アルバイトとして働いている方は、正社員への登用を目指してみましょう。

より条件のよい警備会社に転職したい方、これから警備員を始めてみたい方には、警備員専門の求人サイト『ケイサーチ!』がおすすめです。『ケイサーチ!』の求人掲載件数は、9,000件以上と豊富にあります。(2024年7月10日時点)全国各地にある警備員の求人を検索できるので、この機会にぜひ利用してみてください。

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